Lure Builder マニュアル

3D モデルからルアーの半割りシェルを作る Web アプリの使い方(v0.7 時点)

1. はじめに

Lure Builder は、ルアーの外形の 3D モデルを読み込み、エイト環・ウェイト・リブの位置を決めて「実行」するだけで、次の処理をまとめて行います。

  1. シェル化 … 指定した肉厚で中を空洞にする
  2. 内部構造の追加 … 部品を支える肉やウェイトの座を、左右の壁につないで作る
  3. 部品の穴あけ … エイト環の溝、止めピンの穴、ウェイトのくぼみ
  4. 半割り … 左右 2 つの半身に分け、3D プリント用に出力(STL / 3MF)

重量と比重(水に浮くか沈むか)の計算、部品を組み合わせた状態の STEP 出力もできます。

処理はすべてブラウザの中で行われ、モデルがサーバに送られることはありません。PC の Chrome または Edge での利用をおすすめします。
起動直後の画面
起動直後の画面。まずは左上の「サンプル(ミノー)を読み込む」で試せます。

2. 画面の構成

画面全体
サンプルを読み込み、フロントフックのエイト環を選んだところ
場所内容
左のパネル上から 1. モデル(読み込み・向き・寸法)、2. 設定、3. 部品(追加ボタン)、4. 実行、5. 出力、プロジェクト(保存・読込)
中央の 3D ビューモデルと部品を表示。上のツールバーで「元に戻す / やり直し」「編集 / 結果」の切り替え、視点(側面・上面・正面・斜め)、結果の分解表示
右のパネル履歴(行った操作の一覧)と、選んだ操作の パラメータ(位置・寸法などの編集欄)
右上言語の切り替え(日本語 / English)とこのマニュアルへのリンク。タイトルの横はバージョン

3. モデルを読み込む

モデルの欄
「1. モデル」の欄
  1. 「ファイルを開く」で外形のファイルを選びます。
    対応形式: STEP / IGES / 3MF / STL / OBJ
  2. 読み込むと、全長・幅・高さと面の数が表示されます。
  3. 向きを合わせます。X = 全長(前が +X)、Y = 幅、Z = 上下 になるようにします。
    • 「自動向き合わせ」… いちばん長い辺を全長(X)、いちばん短い辺を幅(Y)に揃えます。
    • 「X/Y/Z 軸 90°」… その軸まわりに 90° ずつ回します。
  4. 大きさを合わせます。
    • 「単位倍率」… cm や inch で作られたデータを mm に直します。
    • 「寸法を指定」… 方向(全長・幅・高さ)と長さを入れて「適用」。XYZ の比率を保ったままその長さになります(入力欄には今の大きさが薄く表示されます)。
向きや寸法の操作はすべて右の「履歴」に記録され、あとから角度や長さを変えたり、取り消したりできます(履歴とパラメータ)。部品は、向きと寸法を決めてから置いてください。部品を置いたあとでモデルを拡大縮小・回転しても、部品の位置は一緒には動きません。
読み込めるのは、穴や重なりのない閉じた立体です。サーフェスだけのデータや、面が欠けた STL は読み込めても「実行」でエラーになります。

4. 設定

設定の欄
「2. 設定」の欄
項目内容(初期値)
シェル肉厚外殻の厚さ(1.2 mm)
エイト環ホルダの肉厚エイト環を支える肉の厚さ(1.2 mm)。ウェイトの筒の肉厚は部品ごとに指定します
計算格子空洞を作るときの細かさ。小さいほど正確で時間がかかります(0.5 mm)
割り面の Y 位置左右に割る面の位置。ふつうは中心の 0
ボディの材質ABS(1.04 g/cm³、初期値)または PLA(1.24 g/cm³)。重量と比重の計算に使います

5. 3D ビューの操作

移動と回転のハンドル
部品を選ぶと、移動の矢印と回転のリングが出ます
操作方法
視点を回す左ドラッグ
視点を平行移動右ドラッグ
拡大・縮小ホイール
決まった向きから見るツールバーの「側面」「上面」「正面」「斜め」
SpaceMouse で動かすツールバーの「🎮 SpaceMouse」を押して機器を選ぶ(Chrome・Edge。次回からは自動でつながります)。キャップの左右・上下で平行移動、前後でズーム、ひねりと前後の傾きで回転。左ボタン = 斜め、右ボタン = 側面
部品を選ぶ部品をクリック(右の履歴でその部品の行が選ばれます)
部品を動かす赤い矢印 = 前後(X)、青い矢印 = 上下(Z)、緑の四角 = 割り面の中で自由に
部品を回す緑のリングをドラッグ(割り面の中で回転)

部品の位置は割り面(青く薄い板)の上で決めます。細かい値は右の「パラメータ」に数値で入れられます。

6. エイト環

エイト環のパラメータ
エイト環のパラメータ

左の「+エイト環」で追加します。形と寸法は姉妹ツール ルアーパーツ モデラー と同じです。

置き方

  • 原点は、線の継ぎ目(開き)があるループ2 の中心です。ループ2 をボディに埋め込み、ループ1 を外に出します。
  • 向きはループ1 が出る方向です(0° = 前、-90° = 下)。ラインアイなら前下がり、フックアイなら -90° 前後にします。
  • だいたいの位置に置いたら 「表面にスナップ」。向きに沿って、くびれがボディ表面に来るよう自動で合わせます。
  • Y 方向に 90° 回転を「90°」にすると、輪が割り面に垂直(水平)になります。テールフックを尾端に水平に付けるときなどに使います。このとき止めピンは上下方向に通ります。

用途(ラインアイ / フック用)とフック

  • 用途が「フック用」のエイト環には、スプリットリングとトレブルフックが自動で付きます(3D ビューに表示され、重量・比重と組立 STEP に入ります)。「ラインアイ」にすると付きません。
  • スプリットリングは #2〜#6 から選べます。形はルアーパーツ モデラーと同じ平打ちのリング(1.9 巻・ジョグ付き)で、重さはその形の体積と SUS304 の密度から計算します。号数ごとの寸法(外径・幅・厚み)は、ルアーパーツ モデラーのスプリットリングのプリセットと同じです。
  • トレブルフックは #14〜#2/0 から選べます。寸法と重さは一般的な市販品の目安です。

寸法

  • プリセットから市販サイズ(23 種)を選べます。線径・内径・中心間距離などを個別に変えると「カスタム」になります。
  • マージンは部品と穴のすき間(片側)です。きつい・ゆるい場合に部品ごとに調整します。

止めピン

  • 「止めピン」を あり にすると、原点(ループ2 の中)を左右に貫くピンの穴を作ります。
  • 径はループ2 の内径に通る最大の規格(1 / 1.5 / 2 / 2.5 / 3 mm)を自動で選びます。
  • 長さは 0 のとき自動で、規格(4〜8 mm)から両端に肉厚分の皮が残る最長のものを選びます。数値を入れると個別に指定でき、ボディを突き抜ける長さは使えません。
  • ピンの形は、ルアーパーツ モデラーの円筒の「止めピン」プリセットと同じです(両端に直径の約 1/10 の C 面取り)。同じプリセットをモデラーで選ぶと、ピンの 3D モデルを作れます。
  • 選ばれた径 × 長さはパネルの下に表示され、3D ビューのピンもその長さで表示されます。

7. ウェイト

「+丸型ウェイト」「+ナツメ型ウェイト」「+円筒型ウェイト」で追加します。どれも材質(鉛、タングステン合金、タングステン、ビスマス、真鍮、銅、鉄、ステンレス、亜鉛、錫)を選ぶと、重さの目安が表示され、全体の重量・比重にも反映されます。

ウェイトのまわりにはホルダ(筒)ができます。ウェイトの形(+マージン)の穴を持つ肉厚一定の筒が、割り面に垂直にボディの内壁までのび、壁とつながります。筒の中は内壁まで空いていて、ウェイトは筒に入れて左右の半身で挟みます。筒の肉厚は部品ごとの「ホルダ(筒)の肉厚」で変えられます(初期値 1.2 mm)。

丸型ウェイト
丸型ウェイト

丸型ウェイト

  • 揺れ止めピン(初期値「あり」)は、ボディの左右の内壁から割り面に垂直に立ち上がる円筒です(ボディと一体で印刷されます)。先端はウェイトからマージンだけ離れた位置で止まり、左右方向のガタつきを止めます。
  • ピンの太さは「揺れ止めピンの径」で変えられます(初期値 1.5 mm、0.8 mm より細いと警告)。編集欄に、左右のピンの長さ(内壁からウェイトの手前まで)が表示されます。0 のときは内壁がもうウェイトに届いています。
  • ウェイトは穴の無い丸玉で使えます。

ナツメ型ウェイト

  • ルアーパーツ モデラーと同じ、市販のナツメ錘の形です。
  • 号数(鉛での重さ、1 号 = 3.75 g)を選ぶと寸法が決まります。寸法を個別に変えることもできます。

円筒型ウェイト

  • 直径と長さを指定します。軸の角度で向きを変えられます。
ナツメ型ウェイト
ナツメ型ウェイト(0.5 号)

8. リブ

リブは、空洞の中に入れる仕切り板です。左右の壁をつないで強度を上げます。

直線を引く
「+リブ(直線を引く)」を押し、1 点目をクリックしたところ
  1. 「+リブ(直線を引く)」を押します(側面から見ると引きやすいです)。
  2. 3D ビューで始点と終点をクリックします。
    • Shift を押しながらクリックすると 15° 刻み(垂直・水平)になります。
    • Esc で中止します。
  3. パラメータで始点・終点の座標と厚みを調整します。
リブのパラメータ
リブのパラメータ

配列コピー(決まった間隔で並べる)

配列コピー
リブを 4 mm 間隔で 2 本コピーしたところ。右の履歴に「配列コピー」が加わり、パラメータで方向・間隔・回数を変えられます
  1. コピーしたい部品を選び、パラメータの下の「配列コピーを追加」を押します。
  2. 履歴に「配列コピー」が加わるので、方向(0° = 前、90° = 上)、間隔、回数を入れます。方向を空欄にすると、元の部品に直角な向きになります。
  3. 元の部品を動かしたり寸法を変えたりすると、コピーも追従します。
配列コピーはリブ以外の部品にも使えます。コピーを 1 つだけ別の場所に動かしたいときは、配列コピーではなく「複製」を使ってください。

9. 履歴とパラメータ

履歴
右上の「履歴」

モデルの向き・寸法の操作、部品の追加、配列コピーは、右の履歴に上から順に並びます。アプリは毎回この順番どおりに組み立て直します(Fusion 360 のタイムラインと同じ考え方です)。

したいこと方法
パラメータを変える行をクリックし、下の「パラメータ」で値を変更。位置を動かしたり数値を変えたりしても行は増えず、その操作の値が書き換わります
削除する行の ✕、またはパラメータの「削除」、または Delete
順番を変える行をドラッグして、移したい位置で離す(青い線が入る位置の目安)
元に戻す / やり直すツールバーの「元に戻す」「やり直し」、または Ctrl+Z / Ctrl+Y
ツールバー
3D ビュー上のツールバー
モデルの操作は順番で結果が変わります(例: 「全長 100 mm に」→「Z 軸 90°」と、その逆)。配列コピーは、コピー元の部品より下に置く必要があります(上に動かすと ⚠ になります)。

10. 警告の見方

警告の表示
エイト環を上に動かしすぎて、ループ1 がボディに埋まった例

配置に問題があると、編集中にその場で、履歴の行に ⚠ が付き、パラメータの下に赤字で理由が表示されます(行の ⚠ にマウスを重ねても見られます)。「実行」のときにも同じ警告が出ます。

警告対処
ループ2 がボディ内に収まっていない
ループ1 が外に出ていない
原点がボディの外
エイト環の位置や向きを直して「表面にスナップ」
止めピンが入らない / 突き抜ける / 皮が薄いボディの太い位置へ移すか、ピンの長さを短くする
揺れ止めピンが細すぎる「揺れ止めピンの径」を 0.8 mm 以上にする
くり抜きでシェルが ○ mm まで薄くなるウェイトを小さくする、中心寄りに動かす、または肉厚を見直す
穴が外形の表面を突き抜けているウェイトや部品がボディからはみ出しています。位置・サイズを直す
モデルの範囲外にあります部品がボディから離れた場所にあります
コピー元の部品がこの操作より後にある履歴で配列コピーをコピー元より下へ移す

11. 実行と結果

実行結果
実行後のメッセージ
  1. 左の「実行」を押します。サンプル(全長 100 mm)なら数秒で終わります。
  2. 結果には次が表示されます。
    • 用意する止めピンの径 × 長さ
    • ボディ・部品・全体の重量(部品にはエイト環・止めピン・ウェイト・スプリットリング・フックを含みます)
    • 比重(全体の重さ ÷ 外形の体積)。1 より小さければ水に浮きます。ボディの材質を切り替えると、実行し直さなくても計算し直されます。
    • 警告(あれば)
  3. 3D ビューが「結果」表示になり、2 つの半身が並びます。「分解」のスライダーで間隔を変えると、内側の構造が見やすくなります。
結果の表示
結果の表示。ツールバーの「ボディを透過」と「透過率」でボディを透かし、「部品を表示」でエイト環・ウェイト・フックなどを重ねて表示できます。手前(青)と奥(橙)が左右の半身。内側にリブ、ウェイトの筒、エイト環のホルダが見えます。「エッジを表示」で稜線を線で描きます
部品の位置や設定を変えると、結果はいったん消えます。もう一度「実行」してください。

12. 出力と保存

出力の欄
「5. 出力」の欄(実行後に押せます)
ボタン内容
半身A / 半身B(STL)片側ずつの STL。割り面を下にした造形向きで出力されます
両半身(3MF)2 つの半身を並べた 3MF。重量・比重もファイル内に記録されます
組立モデル(STEP)半身 A・B、エイト環、止めピン、ウェイト、スプリットリング、トレブルフックを組み合わせた状態。部品ごとに材質・密度・重量が付き、全体の重量と比重も記録されます(Fusion 360 などで部品ごとのコンポーネントとして開けます)

プロジェクトの保存・読込

左下の「保存(JSON)」で、履歴(部品・操作)と設定を保存できます。モデルのファイル自体は含まれないので、続きを作業するときは同じモデルを読み込んでから「読込」してください。

13. ショートカット

キー動作
Ctrl+Z元に戻す
Ctrl+Y / Ctrl+Shift+Zやり直し
Delete選んでいる操作(部品)を削除
Esc選択を解除 / 直線の描画を中止
Shift(直線を引くとき)15° 刻み

入力欄に文字を入れている間は、これらのキーは効きません。

14. 困ったとき

「実行」で「閉じた立体ではありません」と出る

モデルに穴や重複した面があります。CAD で閉じたソリッドにしてから STEP で出し直すか、メッシュ修復ツールで STL を直してください。

処理に時間がかかる

「計算格子」を 0.5 → 0.7 mm などに大きくすると速くなります(形の正確さは少し下がります)。

部品がきつい・ゆるい

プリンタによって穴の仕上がりが変わります。部品ごとの「マージン」を 0.05 mm 刻みで調整してください。

英語で使いたい

右上の「言語」で English を選べます(このマニュアルは日本語のみです)。

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